そういえば、香川県と愛媛県の県境の近くに美味しいうどん屋さんがあるらしいことを思い出したので出かけてみることにした。

お店の名前は「上戸うどん」。上戸は「じょうと」と読むらしい。高松市から食べに行こうとすると、JR予讃線に乗って箕浦駅で降りるってのも選択肢ではあるけれど…。1時間半以上かかるし、列車の本数も少ないので、なんとかクルマで行くのがいいかなぁと思ったりもしつつ、でも、高速を使わないとクルマも時間かかるしなぁ…。ということで、田舎の県内移動ってなかなかコストかかるなぁと改めて思いながらも、クルマでなんとか到着。

香川県の西端、観音寺市の中でも愛媛県境に近いところにお店があって、箕浦駅はすぐ近くだった。大きな看板の向こう、国道11号線越しに見える燧灘は風が強いせいか波が立っているように見えた。まぁまぁ遠くまで来たもんだ。

上戸うどんの隣には箕浦駅

上戸うどんの看板

ちょっと荒れてた燧灘

お店の外観はこんな感じ。香川県だと、よくありそうな店構えといっては失礼だろうか。まぁ、凝った感じの店舗を建ててもコストに跳ね返ってくるだけだし、うどん県の住民がうどん屋さんの店構えに何かを期待するかというとそんなことはないので、必要十分な店構えって感じだろうか。

上戸うどんの外観

お店に入ると店内はお客さんで賑わっていた。うどんを買うのに待っている人がいるし、うどんを食べる席は満席といったところだ。そっとうどんを買うための行列の最後尾に付いた。セルフサービスということで、うどん玉の数を告げると、うどんが入った丼を渡されて、うどんを自分で湯がくスタイルもうどん県でよく見かけるなぁ。

まぁ、こういうセルフスタイルのお店ではお店の流儀にしれっと沿った形でうどんを食べて、そっと帰りたいところ。丼片手にキョロキョロしてみたり、忙しい店員さんにレスキューしてもらうことは避けたいと思いつつ、前に並んでいる常連さんの動きをじっと確認して、お代はどこで支払うのか、先払いか後払いか、そして、薬味の場所はどこかなどを把握していく。

かけうどんを温める

うどんの薬味としては鉄板の生姜は窓の前、おろしがねの上で待機状態だった。好きな量を自らすってうどんに乗せよということで。生姜はすってしまうと風味が飛びやすいのでこれはこれで合理的な仕組みではあるんだけど、圏外から来た人の中には衛生的にどうなのかってあたりが気になる人はいるのかもなぁ。うどん県の住民にとってはこれが当たり前であり、結果的に気にしている人は少ないから、この生姜onおろしがねスタイルを時々見かけるんだろうけど。

すりおろされるのを待っている生姜

というわけで、店先の看板に「燧のいりこは日本一」って書かれていたので、いりこだしを味わうべく、ひやかけをお願いしてみた。そして、天ぷらはうどん県では定番のちくわ天を選択。うどんは少し太めかなという印象だけど、コシがあって実に美味しい。この麺といりこだしがガツンと効いているひやかけ出汁の相性はヤバいくらいに美味しい。ここまでいりこだしを効かせた出汁が美味しいと言えるためには、普段からいりこだしを食べ慣れていないと厳しいかもしれないなぁと思いつつ、でも、うどん県の端っこまで、このうどんを食べに訪れるお客さんが途切れないあたりからしても、これがうどん県の美味しいうどんであることは紛れもない事実だろう。

そして、天ぷら載せても数百円くらいのリーズナブルな値段で、このうどんが食べられるんだから、やっぱりうどん県は何かがおかしいような気もする。

冷やかけとちくわの天ぷら

少し太目のうどん

ちなみに、同行者が頼んでいた、かけうどんにあげ…というか、結果としてのきつねうどんはこんな感じ。実にうまそうなビジュアル。ふわっと仕上げられた揚げには視線を奪われてしまった(ので、思わず写真を撮らせてもらった)

かけうどんにあげ

余談だけど、箕浦駅のすぐ近くってことで、当然、予讃線の線路もすぐ近くなので窓越しに走っていく予讃線の車両を眺めることもできるので鉄道ファンにとっても垂涎の…といっても、運航本数の関係もあるので狙ってお店に入らないとダメなのかもしれないけれど、一応。

予讃線の線路の脇

いやはや、実に美味しいうどんだった。帰省して時間があれば香川県の端っこまでまたうどんを食べに行きたいところだ。