Netflixのオリジナルドキュメンタリー「ストリート・グルメを求めて アジア」で日本のストリートグルメを提供するお店として紹介されていたのが、大阪の京橋にある「居酒屋とよ」。しばらく前に番組を見て、ずっと気になっていたけどなかなか大阪に行く機会がなかったが、この度、やっと訪れることができた。
居酒屋とよは、JR大阪環状線(京阪電車)の京橋駅の近くにある。京橋駅の周囲には、いわゆる大衆酒場や立ち飲み屋さんがずらっと並んでおり、おっちゃんにとってはとても楽しい雰囲気の街。
駅前の居酒屋に吸い込まれそうになるのをなんとか堪えながら、京橋駅からちょっと歩いたところ、道路の脇でTシャツを着た店員さんがお店の準備をしているのが見えた。ここが「居酒屋とよ」だろう。
…とはいえ、12時の開店時間よりは早い到着だった。先に到着していたお客さんが、店員さんが用意した赤いカラーコーンの脇に並んでいたので、その後ろに並んで開店時間を待つことにした。居酒屋とよに向かったのは新緑の季節で、気温は20度程度で暑くもなく寒くもなく、空気は乾いており、屋外で酒を飲むのにはちょうどいい感じだった。
12時の開店と同時に、店員さんがお客さんを案内していく。割り当てられた席は、「居酒屋とよ」の看板の下あたり、一つのテーブルをお客さんと相席することになった。店員さんがオーダーを聞きにきてくれたので、「トロ1人前コース」と、まぐろホホ肉のあぶりを半分でお願いした。また、ビールやチューハイなどの瓶に入った飲み物はお店の中央部に置いてあるクーラーにドブ漬けになっているので、セルフサービスで取ってくるように教えてもらった。また、クーラーではペットボトルのウーロン茶も冷えていて、こちらは1度オーダーすると飲み放題になるらしい。
スーパードライをビアタンに流し込んで飲んでいたら、貝とカニの酢の物が届いた。たっぷりのベビーホタテと、カニが盛り付けられていて、ポン酢がかけられていた。そして、たっぷりのネギ。これがまたいい感じ。カニもベビーホタテも良質なものが使われているような印象だった。
「トロ1人前コース」では、貝とカニの酢の物の他に、いくら、うに、トロがたっぷり載った盛り合わせが提供される。1枚の皿にどーんと豪快に盛り付けられており、かなりのインパクト。他の居酒屋ではまず見かけないメニューだろう。
食べてみると、豪快に切られたとろけるようなトロは絶品。トロで食べ応えを感じられるのはすごい。濃厚ないくらはとろっとしていて贅沢な味わい。酒のアテとしては実に優秀。そして、うに。これまたたっぷりでねっとりとした食感が素晴らしい。同じくコースを頼んでいた常連さんと思しきお客さんが店主さんと話しているのをちらっと聞いていると、最近、市場にいいウニがなくて仕入れられなかった日が続いていたようで、久しぶりにいいウニを仕入れられたそうだ。いいウニを提供で来ることを自慢げに話している店主の笑顔がステキだった。
夢中でウニ、いくら、トロを食べていると、Netflixの「ストリート・グルメを求めて アジア」でも紹介されていたまぐろホホ肉のあぶりの調理が始まったのが見えた。おおよそ調理用とは思えないようなガスバーナーの音が響き渡り、店内が煙で視界不良になっていく。まぐろホホ肉の調理が始まったことに気付いたお客さんが、スマホを片手に調理場に駆けつけてまぐろホホ肉を炙っている店主を動画に収めている。店主がピースをしているのが見えた。
まぐろホホ肉は注文がある程度まとまってから焼いているようで、焼き上がったまぐろホホ肉が皿に分けられていく。そのうちの1皿が届いた。自慢の逸品だけあって、香ばしい焼き目の薫りと、ポン酢がよく合う。まぐろのホホ肉を噛みしめる美味しさがあって、まぐろホホ肉のあぶりを半分にしたことをちょっと後悔した。
まぁ、あともう一品くらい頼めそうってことで、うなぎの蒲焼きもお願いしてみた。おそらく、お店で焼いたものではなく、市場で仕入れてきたうなぎの蒲焼きのような雰囲気ではあったけれど、仕入れにこだわっている居酒屋とよだけあって、なかなか上質なうなぎの蒲焼きだった。しかも、やっぱりうなぎもたっぷり。これまた満足度が高い。
一通り飲み終わって、改めて行列をチェックしてみると、最後尾がかなり遠くになっていた。そろそろ潮時だろうということでお会計をもらって帰途についた。私以外のお客さんも満足そうに飲んでいるのが見えた。
なかなか大阪まで飲みに来る機会はないけれど、また大阪の街に立ち寄ることがあれば、京橋の「居酒屋 とよ」まで足を運びたいと思う。
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