同僚からお土産と言うことで、baton d’or(バトンドール)をもらった。

最初はどこのお菓子かと思ったが、聞いてみたらどうやらグリコのお菓子らしい。ふと、グリコの製品なんて日本全国で売ってそうな印象だったが、このシリーズは大阪の百貨店、それも梅田の阪急と、難波の高島屋でしか売ってないらしい。東京では売ってないというのは、それはお土産物としてのプレミアム感がすごい。

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こどもの頃から、ポッキーやプリッツなど、グリコのお菓子はこれまでもたっぷりと食べてきたわけで、小学校の遠足でお世話になった人も少なくないはずだ。庶民のお菓子であり、国民のお菓子といっても過言ではないくらいに、”グリコのお菓子”には、やはり美味しいなぁと思える、信頼感のようなものすらあるわけだけど、そのグリコが、そのブランドを前面に出さず、baton d’orというまったくグリコ感を出さないお菓子のブランドを作るというのはどういうことだろう。

このbaton d’orを食べてみて、なんとなく分かった気がした。たぶん、グリコは”グリコのお菓子”だけじゃなくて、もっとできることを、その実力をこっそりと顕示したかったに違いない。何処でも買えて、それなりに安価。それは間違いなくバリューではあるが、その一方でグリコらしさが規定されてしまうという反面もあるわけだ。シンプルにお菓子を作るメーカーとして、これまでのブランドにこだわらずに、本気でお菓子を作ってみたらどうなるか。baton d’orは、そんな実験なのかもしれない。

売ってるのは大阪の2店舗だけ。言うまでもなく通販では売ってないはずなのに、Amazonで3倍くらいの価格で販売されているのを見かけたが、グリコの本気はそれくらいの価値があるのかもしれない。

…っていうくらい、正直、旨かった。グリコの工場で大量生産されているお菓子というイメージは全くなく、ちゃーんと作られたお菓子といった感じだ。ともすれば、巷のお菓子屋さんで作っているお菓子を凌駕するかもしれない、とふと思ってしまった。