高松市番町のセルフうどんの名店「さか枝うどん」が2019年5月に閉店した。40年を越える長きに渡って、「さか枝うどん」を切り盛りしていた大将御夫妻がご高齢を理由に店を閉める決断をしたことは香川県のニュースになっていたようだった。
そして、店舗のリニューアル工事を経て、大将の息子さんがお店を継ぐ形で再オープンしたとのこと。朝食を食べに「さか枝うどん」に行ってみた。
先代の大将御夫妻が切り盛りされていた頃の「さか枝うどん」は早朝から営業していて、香川県庁や近隣のオフィスに出勤する皆さんがうどんを朝食に食べて出勤する姿が見られたが、代替わりした「さか枝うどん」は10時からの営業になっていた。
10時に営業開始というとのも他のうどん屋さんと比較すると、多少、営業開始が早いような気もするが、かつて、早朝から営業していたのはうどんの玉を飲食店などに納めるために早朝からうどんを茹でていたことが背景にあったはず。うどんの卸売りを止めて、店頭でうどんを提供する専業のうどん屋さんに転換したのかもしれないな…と思いつつ、人もまばらな10時過ぎの「さか枝うどん」に到着した。
暖簾が新しくなっているような気がしたが、1年近くごぶさたしていたので、リニューアルオープンで暖簾賀新しくなったのかどうかはわからない。
お店の入り口から入り、右側からお店の奥に進んで、うどんを注文するというのは以前と変わっていないようだった。代替わり前には、女将さんがオーダーを捌いていたが、女将さんはそこにいなかった。
メニューを眺めてみたが、「冷やかけ」や「釜かけ」って以前からあったっけなぁ。これまた先代で追加されたものなのか、リニューアル後に追加されたものなのかは釈然としない。
一瞬、「冷やかけ」が頭をよぎったが、ここは素直に「ちゅうてん」(かけうどんの中に、てんぷら1個)をお願いした。久しぶりの「さか枝うどん」に訪問して「ちゅうてん」と言いたかっただけなのかもしれない。
そして、そっと丼に入って出てきたうどんをお湯で温めた。
かけうどんを温めるゾーンの脇にある、てんぷらゾーンで選んだ天ぷらは、いわし天。
次は薬味ゾーン。個人的にはさか枝名物だと認識している、ティースプーンに割り箸をくくりつけたねぎ入れ用スプーン(…ねぎが入れづらい…)も健在だった。そして、工業用タンクっぽい容貌のかけうどんのダシタンクも健在だった。蛇口というか、ノズルというか…タンクのダシをうどんに注いで完成。
朧気な記憶デ恐縮だが、代替わりした「さか枝うどん」のうどんは、先代の時と遜色なく、普段着の美味しいうどんだった。ダシといい、うどんといい、100円玉をいくつか持って食べにくれば、お腹いっぱいで満足して帰ることができる逸品。
うどんを食べながら、店内のリニューアル工事による変化を探してみたが、店内の机はそのまま使われているようで、食べ終わった丼を置く棚が新しく作られたことくらいしかわからなかった。
香川のうどん屋さんも、代替わりできずに閉店という選択をせざるを得なかったお店もあったので、「さか枝うどん」が閉店することなく営業が継続されることはとても喜ばしいことだ。機会があれば、またお邪魔してみたいと思う。
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